続・えちごやん個人メモのブログ

えちごやん個人メモの移転先...。

感染症対策や再生医療など医療分野の発見・新技術に高評価

感染症対策や再生医療など医療分野の発見・新技術に高評価――。日本経済新聞社と日経産業消費研究所が科学技術振興機構と共同で実施した2006年の「技術トレンド調査」でこんな傾向が鮮明になった。研究成果を社会還元する要請が強まり、安全・安心や健康に関する産官学連携のプロジェクトに多額の予算がつぎ込まれている。そんな中から優れた結果が出ているようだ。

得点の高い技術開発成果は、ほとんど医療・バイオ系で占めた。とりわけ猛威をふるうインフルエンザに関連する成果が目立つ。

総合評価のトップは、キリンビールの米子会・社、ジェミニサイエンス(カリフォルニア州)が開発した新しい治療用抗体となった。

動物実験の結果からすると、鳥インフルエンザを含むA型インフルエンザの治療に幅広く効果が見込めそうだ。現在広く使われているホフマン・ラ・ロシュの治療薬「タミフル」より耐性を起こしにくい特徴もあるという。話題性とともに実用性、市場性が大きいと評価された。

同様に、植物原料を使わずタミフルを化学合成する手法の開発(柴崎正勝・東京大学教授ら)や、鳥インフルエンザが人に感染しやすくなるウイルスの構造変化を解明(河岡義裕・東大教授ら)――のインフルエンザ関連の成果が、いずれも5位に入った。

両教授とも世界で活躍が認められており、国内製薬業界の競争力強化につながればと期待されている。

◎   ◎

再生医療関係では、京都大学山中伸弥教授らの成果の評価が高い。マウスの皮膚細胞から、あらゆる生体組織に成長できる胚(はい)性幹細胞に似た万能細胞を開発。受精卵が不要でクローン技術も使わなくて済む。各国の専門家が「大ヒットだ」と絶賛している。新規性と学術性で高得点を挙げた。